映画パラサイト この映画に世界中が大注目=格差社会の証明


 

韓国ドラマも映画も全く興味なく全スルーだったが、海外から高評価を受けているということと、映画の内容も以前から気になっていたので、またもやWOWOWで自宅鑑賞。

この映画。ホンモノだと思う。

感想を思いのまま書いていますのでネタバレと感じる部分もあるかもしれませんのでご注意下さい。

 

ヤングアンドシンプルなあらすじ  

半分地下の様な位置にある家で暮らすキム家族は、大黒柱である筈の父ギテクが失業し、貧しい生活を余儀なくされていた。そんな時、息子ギウが、留学する友人からの頼みで裕福なパク家族の娘ダヘの家庭教師を代行することから始まるパラサイト計画。

あの手この手を使い、家庭教師、運転手、家政婦と次々に家族をパク家に就職させていくのだが、ある秘密の暴露を境目にコメディ色が一気に抜けていく。もう結局コメディなのか、サスペンスなのか、ホラーなのかジャンル分けの難しい人生みたいな映画。

 

この映画をみた感想。見どころはいたるところに散りばめられている格差社会へのメッセージ、これに尽きる。

半地下に住むキム家族、坂を登った先にあるパク家族の豪邸、そしてその2つの家族を結びつけるのが地上からギウの家にくる大学の友人。その友人がキム家族の家の前の地上にいる酔っ払いを強い口調で追っ払うシーンすら地上の中にも存在する格差を表している。

キム家族はまだ半地下なので、完全に地下ではない、というところもこの家族がパラサイト計画を企てる原因の一つだろう。地上に未練がある、完全な地下に降りたくない階層なのだ。

そんな中、一気に下層から這い上がれるかもしれない地上行きの切符を手に入れた時、何がなんでもその列車に乗りたいと思ってしまう気持ちはわかる。何故なら下がるのは簡単だけど、上がるのが難しい世の中だからである。日本もそうだけど、韓国もそうなんだろうな、どこの国も割と同じような悩み抱えて日々頑張って生きてんだな、と勝手に世界の知らない人達と共感できたような気になった。 

他にも物語終盤で、大雨で下水が溢れて大変だったキム家族、一方で翌日の晴れた日に雨のおかげでPM2.5が少なくてガーデンパーティー日和だわ、などと無邪気に抜かす、ヤングアンドシンプルで家事全般全くできないパク家の美人妻。その横で家政婦のキム家元アスリート妻が、パーティー支度に大忙し。このアスリート妻が金メダルじゃなくて銀メダリストっていうのも上手すぎる。

様々な手法で格差社会へのメッセージをこんなに力強く、かつさりげなく訴えてくるなんて、パラサイトの台詞にもあったが(なんとも言えない気持ちになるシーンだけど)本当に「リスペクト」

そしてラストは、散々格差の現実見せつけられて、さらにまだ現実が残ってましたか、って勢いで引き下ろされる。

あとシビアなテーマにコメディ色が多いところもよい。吹替え版、字幕版両方観たが、どちらかをすすめるのなら字幕版だろう。(見比べると絶対字幕版の方が面白いよ、というシーンがあるのですが、角が立つ可能性があるので控えます)

よくぞ今まで世界中の多くの人々が間接視野でみてた深すぎる闇に絶妙なスポットライトあててくださいました!

世界がこの映画に注目するのは、世の中に格差社会の闇が蔓延している事実の証明だと思う。パラサイトが名作と呼ばれなくなる時がきたら、それは格差がない平和な世の中の到来かもしれない。 

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