「Nのために」を「私のために」再放送してほしい。

今週のお題「もう一度見たいドラマ」 

録画したやつを残しておかなかったことを後悔しているドラマの一つが「Nのために」。原作も読んだけど、ドラマから入ったからか、完全にドラマ派。

榮倉奈々・杉下希美役、窪田正孝・成瀬慎司役、賀来賢人・安藤望役、小出恵介・西崎真人役、が主要登場人物。

チュートリアル徳井、小西真奈美が演じる野口夫妻が死亡する事件が起こり、その場にいた、希美達の警察での供述や、過去の回想を交えて真実が徐々に明らかになっていく、という内容。

 

時間軸をパズルのようにバラバラにしてみせることでより高まるミステリー感 

時間軸が交錯しており、過去と現在を行き来しながら、ラストにネタバレするような物語に構成されている。ドラマの夜行観覧車、リバースもそういうところは似ている。原作・湊かなえのストーリープラス演出の人も同じなので、という話なのかもしれないが、毎回次回が相当気になる終わり方でラストまで引っ張っていくドラマだった。過去がみえてくると、何故こいつこんな性格なんだろう、というところが鮮明になってくるのだが、この過去回想が結構面白いし重要。パズルのピースが回数かさねるごとに埋まっていき、ラストは、湊かなえということもあるので割愛。

 

罪を共有すること、あえて共有させないこと、利他的な愛とは何なのか

 希美はきっとあのNのために、成瀬君はまた別のNのために、西崎さんもさらに違うNのために決断を下していく。それはお互いの罪の共有だったり、非共有だったり、いずれにしても相手のことを最大限考えた上での判断であることから、この3名は間違いなく利他的な愛を目指しているようにみえるのだけど、利他的って、難しいんだよ、だからボタン掛け違ったんじゃないの?もっと自分のために生きりゃ良かったんじゃないのって話だと個人的には思っていて、何々の為にって言葉からみえるしてあげている感って、どうしても利他的に到達できない部分ではないだろうか。過去からずっと自分を犠牲にして我慢しすぎて生きてきたから希美は最後ああいうことになったのかな、と考えてしまう。

 

 窪田正孝の演技が光るドラマ。でも役的には賀来賢人がかっこよかったドラマ。

このドラマで窪田正孝の存在を知った。つもりだったが、そのあと既に自分が見ていた複数のドラマにでていたことに気づく。全然違うキャラなので気づかなかった。なんだこの人の儚げな演技は。原作読んだら、西崎さん役でもやれたんじゃないかと思った。とにかくこの役者さんは上手だしカッコいいしいうことなし。「アルジャーノンに花束を」のドラマに出演すると知った時は主役じゃないとはどういう事か、と心の中で叫び周囲に嘆いた。その後も色々な作品に出演していて面白いのももちろんあるけど、この作品に匹敵する配役にまだであえていない。映画「Dinerダイナー」のスキン役は途中までかっこよかった。アンナチュラル(そしてまた同じ演出家のドラマ)の続編でもやってくれれば、成長した六郎が凛々しくなったりしないかなー、と妄想はするけど、どちらかというと昔の月9枠みたいなお互いの掛け合いだったり明らかにあて馬的なできる男女がでてくるようなごく普通のラブストーリーで観てみたいんだと思う。

成瀬君が希美にマフラーまくシーンとか、めちゃくちゃかっこよかったし、二人のラストシーンも空と海の青色が映えてすごく美しかった。

そういいつつも現実だったら安藤望の方が良くみえそう。実際賀来賢人演じる安藤望の好青年でリア充ぽくみせつつ、そこまですれていないところ、勝気なところがドラマ内でかなり魅力的に映る。賀来賢人は今や「今日から俺は」で有名になって、WOWOWの「アフロ田中」もそうだし、すっかりコメディに目覚めた感じだけど、未だに私の中では安藤望がダントツで一位。面白いことができる俳優さんは暗い役とか、影のある役も上手そうだ。

ちなみに安藤望は誰とも罪を共有していなかったりする。ドラマだけでは読み取りにくい家の外側からチェーンロックをかけるシーンの彼の心情は原作を読むとスッと入ってきたので、原作読んだらまた見たい、と思いつつ月日は流れた。

あと少し話はそれるけど希美の母親役の山本未来もよかった。「お金なくなっちゃった」の台詞は強烈。

ということで再放送求む!私のために!

 

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