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おひとり様漫画の最高峰、湯神くんには友達がいない。

おすすめ漫画は沢山あれど、2020年という災害まみれの一年は笑いでぶっ飛ばそうということで今回は、超マイペースな主人公のおひとり様漫画、湯神くんには友達がいない、を取り上げてみたい。

この漫画を読むといつもケタケタ笑ってしまい周囲に不気味がられるが、読了後はほっこりする、愛してやまない作品。

 

ざっくりなあらすじ

転校生の綿貫ちひろちゃん(ヒロイン的女子)が強烈おひとり様男子である湯神裕二の隣の席になったことで、彼に振り回され、クラスから浮いたりしないか気を揉みながらも、なんだかんだで仲良くなり、お互い切磋琢磨(ちょっと大袈裟な表現かも⁉︎)していく話。ちひろちゃん達(湯神くんを取り巻く周囲のクラスメイトや野球部の主に彼に迷惑を被ってる犠牲者達)の珍獣湯神くん観察日記ともいえる。

友達がいないのに全く可哀想に見えない湯神くんと、友達をつくる為に周りに気を使いまくって奔走するちひろちゃん

湯神くんは野球部のエースで成績優秀、趣味は落語、見た目や服装は普通だし、背もそこそこ高い。落語の趣味は珍しいかもしれないが、これだけ聞いたら、なんだ、めちゃくちゃ高スペックでないか、と思ってしまう。

ところがそのスペックがかすむ程性格が面倒くさいため、クラスメイトから変人と煙たがられる存在なのだ。実際クラスでグループを作るときに誰からも声がかからない上に皆に本気で嫌がられているし、野球部で準備運動のストレッチをペアでする時も見事にあぶれて監督とペアを組んでいることもある。

そして今、可哀想だと思った人、完全に湯神くんを誤解している。この普通に聞いたら可哀想、と思うことが全然可哀想じゃないところが彼の凄みなのである。(ちひろちゃん談)

現に湯神くんはこの事を気にすることなく意気揚々とおひとり様生活を満喫している。おそらく気にすることが無駄だと判断し(最早それすら考えてないかもしれないが)、自分の趣味や、勉強、部活など、自分の為になることに注意資源(人間の一日に使用できる集中力には限界があるという説)を使い、毎日マイペースに、そして真剣に自分第一な生活を送っているので人生の満足度が高いのだ。

それと真逆の立ち位置にいるのがヒロインのちひろちゃんだ。ちひろちゃんは父が転勤族なので転校先で馴染もうと努力してはまた転校して振り出しに戻るという生活を繰り返している為、周囲に合わせすぎるあまり自分の気持ちを押し殺してしまうこともしばしば、加えて転校生ということからあまり親しく話せる友人もいない。そんななか湯神くんは良いこと悪いこと関係なくズケズケ言ってくるので、こいつには遠慮はいらないと感じはじめたあたりから、彼には素直に自分の気持ちをだせるようになり、野球部のマネージャー(久住さん)や、湯神くんにラブレターを送った女子(藤沢さん)とも友達になれて、彼に振り回されたおかげで学校生活に彩りがでてくる。

湯神くんは湯神くんで、ちひろちゃん達が裏で湯神くんのフォローをしていることも多々あり(本人は大体気づいていない)、特にちひろちゃんの存在が彼にとても良い影響を与えている。湯神くんの足りないところをちひろちゃんがもっているからだろう。湯神くんもおそらくわかっているけど恥ずかしいようで滅多に口にはださない。

湯神くんから学ぶおひとり様力、そして永遠に答えのでない不毛な友達問題から脱却しよう

湯神くんの趣味への没頭具合はオタク級であり、勉強や部活も効率を考え計画性をもって行なっており努力家な一面もある。野球部の先輩の慣習を後輩に闇雲に踏襲しないことで後輩に選択肢を与えたり、徳をつむために困っている人がいたら助けてあげたりもしている。(賛否両論ありますが)

周囲の意見に惑わされず、自らの意思で考え、判断し、実行する、そのブレなさたるや高校生なのにおじいちゃんのように達観している。そう思いきや、やっぱり思春期!不器用!真面目!偏屈野郎!と感じさせる場面も多く、こういうところも人間らしくて最高である。

そして彼は狭義での「ひとり」という言葉が与える孤独な方の「ひとり」ではない。本意ではない時もあるかもしれないが、色々な人と関わり、かつ確固たる自己を持って生活しているので、おひとり様を謳歌できているのだと思う。湯神くんには友達がいない、でも湯神くんが孤独じゃないのは彼がひとりを自覚し、ひとりで出来ないこともあると理解しているところにあるのではないだろうか。(例えば彼の特技の野球は一人ではできない)

かくいう私は幸運なことに友達に恵まれているので現状に満足しているが友達は少ない。

でも私達友達だよね!って確認するようなごっこ的な時代は子供の時だけの話だと考えているので、頻繁に遊んでいる友達、疎遠になった友達、色んなところに友達って使うけど、友達ってそもそもなんだろう、といわれたら、自分が友達と思っていてかつ相手も会ったときに自分に対して友好的な、もしくは気の置けない対応をしてくれたらとりあえず友達でいいような気もする。ただ相手の本当の気持ちはわからなかったりするから(信用してるしてないの話ではなくいくら見た目友好的に振る舞ってくれても、友達と公言してくれても、他人の心の中は誰にも読めないという意味)こうなるとドラマMOZUで倉木が毎回冒頭でいう、本当の真実が知りたい、みたいな話になってきて本当の友達ってなんなんだ問題がでてきてしまう。ならば友達云々の話自体湯神くんからしたら注意資源を使ってまでして取り組むべき問題ではないというのも頷ける。つまり不毛な友達地獄沼にハマって動けなくなるくらいならあえて飛び込む必要はない。

忘れてはならない、主人公の脇を固める特濃なサブキャラ達

湯神くんとちひろちゃんの話ばかりになってしまったが、この漫画のもう一つの面白いところは登場人物のキャラ立ちが半端ないところだ。美人だけどストイック過ぎてたまにクラスメイトをビビらせている藤沢さん、湯神くんに振り回されっぱなしの野球部後輩の門田、こういう子いたわーと思わせるザ・女子なカオちゃん、湯神くんを一方的に親友と呼び自作落語の添削を求めてくる財前(南田にイケメン 枠を奪われた人)等々、キャラそれぞれの悩みや考えがとても丁寧に描かれており、キャラの個性を際立たせている為、どのストーリーも楽しく読める。

最後に、湯神くんの面白さは読んでみないとわからない!人生に悩んでいる皆に読んでほしい!

なんとこの漫画、実はもう完結している。全16巻。

終わった時はしょんぼりしたが、続編が堪らなくみたいような、みないで湯神くんをそっとしておいた方がいいような複雑な気持ち。とにかく名作だった。

おひとり様を極めたい人、空気を読むのがだるくなってきた人、他様々な悩みを抱える迷える子羊な皆様に是非よんでほしい。きっと湯神くんが皆まとめて笑いの世界へいざなってくれる筈。

 


 

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